2020.03.20 研究・成果
生体内には、数千種類を超える酵素が存在し、これらは多くの疾患の発生と関連している。この酵素の活性異常を分析できれば、様々な疾患のバイオマーカーとして利用できるが、血液中の極微量の酵素を検出することは非常に難しい。
東京大学大学院薬学系研究科の坂本眞伍大学院生、小松徹特任助教、浦野泰照教授、理化学研究所開拓研究本部渡邉分子生理学研究室の渡邉力也主任研究員、東京大学大学院工学系研究科の野地博行教授、名古屋市立大学大学院薬学系研究科の中川秀彦教授、国立がん研究センター研究所の本田一文部門長らの研究グループは、血液中の酵素を1分子レベルで区別して検出する新たな方法を開発した。実際に膵臓ガン患者血液中の酵素活性を解析し、疾患の進行に伴い血液中で上昇する新たなバイオマーカー候補タンパク質を発見することに成功した。今後、疾患バイオマーカー候補の発見や、新たな疾患診断法の確立につながることが期待される。
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