2020.10.09 研究・成果
慶應義塾大学医学部循環器内科学教室の遠山周吾特任講師、同救急医学教室の田野崎翔助教らの研究グループは、同医化学教室の末松誠教授、同システム医学講座の洪実教授、リポドームラボとの共同研究により、ヒトiPS細胞由来の分化細胞集団から、臨床応用の課題だった腫瘍化の原因となる未分化iPS細胞を効率的に除去し、より安全性を高めた移植用細胞の作製に成功した。
研究グループによると、長年個々の細胞の代謝を解析し、安全かつ機能性の高い細胞を作製する手法の確立に取り組んできた。その際、2013年と2016年に、ヒトiPS細胞においてグルコースおよびグルタミンの代謝が活発であること、心筋細胞は乳酸をエネルギー源とすることを明らかにし、培養液に含まれているグルコースおよびグルタミンを除去し乳酸を添加することで未分化iPS細胞を除去する手法を開発した。
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