2020.10.09 研究・成果
過去に日本列島で生活していた縄文人のゲノム配列を調べることで、縄文人のルーツや目の色、酒に強いかなど、様々なことが分かってきた。一方、縄文人がどのようなウイルスに感染していたのかなど、まだまだ解明されていないことも多い。
国立遺伝学研究所の西村瑠佳さん(総研大遺伝学専攻大学院生)と井ノ上逸朗教授らの研究グループは、縄文人骨の歯髄に含まれる全てのDNAの塩基配列を、次世代シークエンサーで決定した。その中で現代のウイルスと類似の塩基配列を持つゲノム配列を探索したところ、11種類のウイルスのゲノム配列を見つけた。中でも約3800年前の北海道船泊遺跡の縄文人骨から見つかったウイルスCT89(Siphovirus contig89)は、ほぼ完全なゲノム配列が復元できた。
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