2021.04.02 研究・成果
スケジュールなどを書き留める際、スマートフォンやタブレットなどの電子機器と比べて、紙の手帳を使った方が、記憶の想起に対する脳活動が定量的に高くなることがわかった。東京大学大学院総合文化研究科の酒井邦嘉教授と梅島奎立大学院生が、日本能率協会マネジメントセンター、NTTデータ経営研究所との共同研究で明らかにした。電子機器にはない紙の特性が、五感を通して空間的な手がかりを与えることで、より深い記銘を可能にするという。
我々は日常生活の中で、紙の本や雑誌、スマホ、タブレット、PCなどを使っているが、媒体によって、脳にどのような影響があるのかは十分検証されていない。従来の研究では、手書きの方がキーボード入力よりも記憶に効果的だということが行動実験で調べられているが、記銘がどのように記憶の想起に差を生じさせるのかや、その神経基盤は明らかになっていなかった。
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