2021.06.25 研究・成果
順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学・スポートロジーセンターの田村好史先任准教授、河盛隆造特任教授、綿田裕孝教授らの研究グループは、アルコールに強い人が糖尿病になりやすいメカニズムを明らかにするため、正常体重の日本人男性94人を対象にした調査を実施し、アルコールに強い遺伝子型を持った人は、飲酒量が多くなることで肝臓のインスリンの効きが悪くなり、空腹時血糖値が高くなる可能性を世界で初めて明らかにすることに成功した。
近年、東アジア人43万3540人のゲノムワイド関連研究が行われ、アルコールへの耐性(強さ)を規定する遺伝子型として知られているALDH2(アルデヒドデヒドロゲナーゼ2)遺伝子多型(rs671)が、男性の2型糖尿病の疾患感受性遺伝子として新たに同定され、アルコールに強いタイプの遺伝子型を持つ男性は糖尿病になりやすいことが報告された。ただ、アルコールに強い遺伝子型であるとなぜ糖尿病が発症しやすいのかは、不明な点が多く残されている。
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