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2021.10.01 研究・成果

幼児期の麻酔処置で記憶障害 ニューロン新生の低下が一因 自発的運動で改善可能

 

3歳までの幼若期に複数回の麻酔を受けると、成体期以降の学習・記憶障害やADHDのリスクが1.75倍増大する。このことは、米FDAが2016年と17年に警告文書を発出するほど、よく知られていることだが、その理由はわかっていなかった。九州大学大学院医学研究院の土井浩義助教、松田泰斗助教、中島欽一教授らの研究グループは、発達期における複数回の麻酔薬曝露によって生じる将来的な学習・記憶障害は、脳の海馬でニューロンを新しく作りにくくなることが原因であることを明らかにし、さらにマウスでは自発的運動(ランニング)が麻酔薬曝露による学習・記憶障害を改善することも発見した。中島教授は「自発的運動による改善は持続的なものなのか、運動ではなく薬剤で改善できないかといったことを明らかにしたい。また麻酔科とも連携してヒトへの応用が可能なのかといったことについても検討したい」と話している。

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