2021.11.12 研究・成果
名古屋大学大学院医学系研究科の清水大助教、小寺泰弘教授、松井佑介准教授、東京大学アイソトープ総合センターの谷上賢瑞特任准教授、秋光信佳教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の波江野洋特任准教授、九州大学病院別府病院外科の三森功士教授らのグループは、DNA上のシトシンのうちの約45万カ所のメチル化状態を網羅的に解析することで、27種類の悪性腫瘍を同時に診断・鑑別可能なメチル化パネルの作製に成功した。採血や尿検査などのリキッドバイオプシーを用いて、悪性腫瘍の存在部位を的確に識別可能な検診技術への発展が期待される。
近年、血液中に漏れ出た腫瘍由来のctDNAが、悪性腫瘍の検査対象として注目されている。採血で調べることができ、悪性腫瘍にしか存在しない遺伝子変異を血液中から検出できれば、悪性腫瘍の存在を証明することができる。しかし、悪性腫瘍で起こる遺伝子変異のほぼ全ては、様々な悪性腫瘍で共通してみられるため、血液中の遺伝子変異を検査することで悪性腫瘍があることが分かっても、どの臓器に悪性腫瘍があるかを診断することは難しい。
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