2022.07.15 研究・成果
炎症性筋疾患の治療に、糖尿病治療薬として臨床応用されているGLP1受容体作動薬が効果がありそうだ。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の保田晋助教授、神谷麻理助教らの研究グループは、韓国のImmunoForge社との共同研究で、炎症性筋疾患モデルマウスに対するGLP1R作動薬を用いた治療が、筋力低下や筋萎縮、さらに筋の炎症を改善することを明らかにした。保田教授は「来年の初めくらいには、臨床研究の前期2相を始めたい」という。Journal of Cachexia, Sarcopenia, and Muscleに掲載された。
炎症性筋疾患は、体幹や四肢に進行性の筋力低下をきたす慢性疾患で、難病に指定されており、国内の患者数は約2万人、毎年約2千人が新たに発症しているといわれる。原因不明の疾患だが、免疫細胞が筋細胞を攻撃する自己免疫疾患だと考えられている。
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