2024.01.01 研究・成果
イルカをはじめとする野生動物の年齢推定には、寿命を超える長い期間での観察研究や、捕獲する方法が一般的であるため、長寿の野生動物の年齢推定はきわめて難しい。三重大学大学院生物資源学研究科の八木原風博士後期課程学生は、森阪匡通教授、吉岡基教授(現・三重大学理事)、京都大学野生動物研究センターの村山美穂教授、京大理学研究科の斉惠元博士後期課程学生、新井花奈博士後期課程学生、東海大学生物学部海洋生物科学科の北夕紀准教授、御蔵島観光協会の小木万布さんとともに、糞の中に含まれるイルカのDNA情報から年齢を推定する手法を開発した。野生水生動物の糞などの非侵襲的な試料由来のDNAに対して、初めてエピジェネティッククロック解析に成功した事例だ。ミナミハンドウイルカの生態理解と保全に役立つだけでなく、他の野生動物への応用への第一歩となる可能性がある。
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