2024.12.20 研究・成果
タンパク質BMP2は優れた骨形成作用を持つことから、欧米では難治性骨折や脊椎固定手術で骨の癒合を早くするために使用されている。コラーゲンが骨の主要な構成成分であることや、生体適合性の高さから、主にコラーゲンスポンジ(CS)にBMP2を含ませたものが使われるが、移植後早期にCSからBMP2が周囲に放出されることによる強い炎症反応や、意図しない場所での骨形成が起こることがある。大阪大学大学院医学系研究科大学院生(博士後期課程)の古市拓也さん、海渡貴司特任准教授、岡田誠司教授らの研究グループは、骨再生の際、骨や軟骨の形成を促進するタンパク質BMP2に、ナノクレイゲル(NC)を混合して使用すると、炎症反応がほとんど生じず、良質な再生が実現できることを明らかにした。安全に骨癒合を獲得できる次世代の骨再生治療として期待される。
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