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コラム・素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2026年3月13日号 素領域

本来は人間に恩恵を与えるはずのインターネットやコンピューターなどの先進技術が、進化(深化)にともない人間にとって好ましくない存在になってきた。誰とでもつながるコミュニケーションツールであるはずのSNSは、それを利用した誹謗中傷や偽・誤情報、青少年の犯罪などが問題となっている▼人間よりはるかに速く広く情報を集めて学習し、人間以上にジョブをこなすAIは、サイバー攻撃や人間を殺傷する軍事技術にいち早く使…

2026年3月6日号 素領域

環境省は昨年末に令和7年度スギ雄花花芽調査の結果を発表した。雄花の着花量について、各地域の過去10年の平均と比べて200%以上となったのは9道府県だった。高い順に北海道328%、大阪315%、奈良312%、京都272%、徳島272%、山形229%、静岡215%、愛知213%、鳥取202%だった。50%未満となったのは青森44%、岩手49%の2県だけだった▼花粉症の症状軽減には花粉への曝露を防ぐほか…

2026年2月27日号 素領域

高市早苗首相は、第2次高市内閣発足にあたって記者会見を開き、責任ある積極財政、安全保障政策の抜本的強化、政府のインテリジェンス機能の強化といった重要な政策転換を進める考えを改めて表明した。中でも責任ある積極財政とは何なのか▼日本国内には、多くの研究者の努力によって、あまたの研究成果が存在している。こうした事業や文化の種を育てるためには投資が必要だ。しかし、日本の民間企業には科学や技術を理解し、中長…

2026年2月20日号 素領域

地球温暖化が叫ばれているが、昨年の暮れから今年に入って寒い日が多く、日本海側では平年より多い降雪を記録している▼例年のことだが、冬になると日本海側にはたくさんの雪が降り積もる。こうした雪を大事な資源として考え、少しでも活用する方策はないかと、毎年、豪雪のニュースを聞くたびに思うのである▼資源エネルギー庁のホームページには、そうした活用方策として「雪氷熱利用」の事例が紹介されている。例えば、北海道で…

2026年2月13日号 素領域

林野火災は空気が乾燥し強風が吹く春に多く発生する傾向にある。実際、令和2~6年の山火事の月別平均をみると約7割が1~5月に集中し、4月がピークになっている。要因として、この時期に野焼きやあぜ焼きが行われることや山菜採りやハイキングで入山者が増えることがあると考えられている▼林野庁と消防庁は今年も3月1~7日を中心に「全国山火事予防運動」を実施する。「山火事を・起こすも防ぐも・私たち」を統一標語に啓…

2026年2月6日号 素領域

子宮頸がんには、腺がんと扁平上皮がんがある。腺がんは検診で見つかりにくく、早期発見が難しい上、転移も多く、死亡につながるケースが多い。ただし、ワクチンによって子宮頸がんの9割以上を予防できる可能性がある▼HPVワクチンは2013年から定期接種になったが、有害事象の報道が相次ぎ、わずか2カ月で積極的推奨が控えられ、接種率はほぼゼロになった。20年頃から一部自治体で定期接種が再開され、22年4月からキ…

2026年1月30日号 素領域

21世紀に入ってから今年で26年目を迎えた。もう四半世紀が過ぎたことになる▼しかし、ウクライナとロシアの紛争は続いており、イスラエルとガザは停戦したものの、ガザ地区は紛争で荒廃したままだ▼世界的な異常気象をもたらしている地球温暖化問題への対策も進んでおらず、世界のCO2排出量は今も増え続けている。加えて、米国トランプ大統領が世界をひっかき回している▼中南米やグリーンランドなどをめぐり、新たな国際的…

2026年1月23日号 素領域

昨年8月に沖縄美ら島財団と東京大学などの研究グループは、沖縄本島東沖の水深約900㍍の深海で新種のサンゴ「リュウキュウサンゴ」を発見し、話題になった。いわゆる宝石サンゴの仲間で、サンゴ礁を形づくるものとは異なるグループに属し、生態も全く異なる▼造礁サンゴは主に褐虫藻と共生し、光合成で生きているが、宝石サンゴは主に光が届かない冷たい深海でプランクトンを餌に生きている。生殖様式も異なり、宝石サンゴは雌…

2026年1月16日号 素領域

毎年、世界で230万人が乳がんに罹患しており、国内でも年間約10万人の新規患者が生まれている。早期乳がん治療の第一選択肢は手術による切除であり、多くの患者が乳房の一部または全部を切除する。最近では乳房温存療法も広がってきたが、手術による傷跡や変形などもあることから、手術そのものを望まない患者も多い▼重粒子線を使ったがん治療は、がん病巣に集中して高い線料を届け、周囲の正常組織に当たる線量を低くできる…

2026年1月9日号 素領域

最近、防災関連の話で「フェーズフリー」ということばをよく耳にするようになった。一般社団法人フェーズフリー協会という団体が2018年に発足している▼そのホームページには、14年にスペラディウス代表の佐藤唯行氏(同協会代表理事)がこれを提唱、このことばを、平常時に利用されるすべての商品とサービスが持つ、災害時に役立つ付加価値だと定義したとある▼平常時や災害時という2つのフェーズの制約から自由であること…

2026年1月1日号 素領域

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします▼正月には餅の誤嚥にご注意を。消費者庁が2018年と19年の2年間を分析したところ、気道閉塞を生じた食物の誤嚥のうち、65歳以上の餅による窒息事故の死亡者数は18年が363人、19年が298人で、事故発生は43%が1月に集中していた▼餅は温度が下がるに従い硬さと付着性が増す性質があり、喉を通る時には温度が下がりくっつきやすくなると…

2025年12月19日号 素領域

今年最後の号となりました。読者の皆さまには、来年が良い年となるよう祈念しております▼今年はクマのニュースが全国的に話題になり、日本漢字能力検定協会が発表した今年の漢字は「熊」になりました。クマによる被害は、地球温暖化による植生の変化や耕作放棄地拡大に伴う里山の減少など、様々な要因が考えられています。こうした状況だからこそ、フィールドワークを含む地道な研究活動がますます重要になると思います▼一般公募…

2025年12月12日号 素領域

今年も師走に入り、残すところ3週間程度になったので、振り返って雑感を記したい▼温暖化の影響で今年の夏も大変な暑さだった。しかし、10月に入ると急速に気温が下がり、涼しさを通り過ぎて寒い日が続くようになった。また、東北や北海道を中心に各地でクマが市街地などに出没し、人を襲う事案が多発している。科学分野では二人の日本人のノーベル賞受賞があって明るい話題となった▼注目のAIは開発や利用が進み、様々な分野…

2025年12月5日号 素領域

大分市佐賀関で11月18日夕刻に発生した火災は、市消防局によれば28日に半島側で鎮火し、飛び火したとみられる約1・5㌔㍍離れた蔦島は鎮圧を確認。半島側では引き続き警戒巡回を行い、蔦島ではドローンによる熱源探査を行っていくという。この火災で死者1人、軽傷者1人、建物被害182棟の被害が出た。鎮圧とは火災拡大の危険がなくなった状態、鎮火は再燃のおそれがない状態を意味し、いずれも現場最高指揮者が認定する…

2025年11月28日号 素領域

第7期科学技術・イノベーション基本計画では、どのような研究領域に重点がおかれるのか。先日開催された、基本計画専門調査会の下のワーキンググループでは、造船、航空・宇宙、サイバーセキュリティなど10の新興・基盤技術領域、AI・先端ロボット、量子、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギーなど6つの国家戦略技術領域が示された▼新興・基盤技術領域については、各府省の予算で柔軟に支援していき、国家戦略技術領…

2025年11月21日号 素領域

国際通信を支える光海底ケーブルの損壊が、近年日本周辺で増えており問題になっている。その対策のため総務省が「国際海底ケーブルの防護等に関する研究会」を先日開催した▼海底に敷設される光ケーブルは、最大8000㍍もある深い海溝もまたいで設置されるので、水圧などに耐えるようにポリエチレン樹脂や銅パイプなどでしっかり保護されている。それでも、世界では100から200件程度の破損などによる障害が毎年発生してい…

2025年11月14日号 素領域

11月は霜月ともよばれ、二十四節気では11月7日頃から12月6日頃までが初冬になる▼気象庁は今年度の冬シーズンから初霜・初氷の目視観測を終了した。アメダスや衛星など最新の技術による客観的かつ定量的な情報が提供できるようになったことを受けての見直しだという。これまでは全国の気象台や測候所の露場(ろじょう)を観測点にして職員の目視で行われていた。露場とは周囲の人工物の影響を受けないよう配慮した観測装置…

2025年11月7日号 素領域

先日、第5回医療等情報の利活用の推進に関する検討会が開かれた。有効な治療法・医薬品・医療機器等の開発による医療の質の向上、医療資源の最適配分などにつなげるため、患者の医療情報の二次利用に関する基本理念や制度の枠組みなどを検討している▼疫学研究者、患者団体、法律家からヒアリングが行われたが、ある委員が「どうしてマイナンバーカードと医療情報を結びつけてはいけないのか」と質問した。法律家からは、医療情報…

2025年10月31日号 素領域

高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に選出され、日本初の女性首相誕生に世の中の期待感が高まっている。就任後の記者会見でも意気込みを感じる。その高市首相が初閣議で示した基本方針では「強い経済の実現」「地方を伸ばし、暮らしを守る」「外交力と防衛力の強化」を掲げた▼今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作る。世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。日本と日本人の底…

2025年10月24日号 素領域

キンモクセイは秋に甘い香りを漂わせる橙色の小さな花を数㌢㍍の塊状に咲かせる常緑小高木で、庭の植栽として親しまれている。しかし少し調べてみると親しまれている割に不明なことの多い植物だ▼属名の「Osmanthus(オスマンサス)」はギリシャ語の「osme(香り)」と「anthos(花)」が語源で、和名はギンモクセイの花が白であることから、橙色を金にたとえて名付けられたらしい▼中国原産の雌雄異株で、日本…

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