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「暦の上だけではなく本当の春も間近」。3月となると暖かい季節の足音が身近に感ぜられ、何となくウキウキした気分になる▼ただ「冗談じゃない。これからが憂鬱な時期なのだ」と気分が落ち込んでしまう人が、最近のデータによると日本人の4人に1人の割合でいるという。花粉症に悩む人のことだ。そもそも花粉症とは、その名の通り植物の花粉が原因で起こるアレルギー疾患のこと。アレルゲン(抗原)である花粉が目や鼻から入ると…
2月は暦の上では春だが、まだ寒さも厳しく例年、3月までは関東でも積雪が見られる。「早春賦」でもそう歌われるではないかとも思ったが、調べてみると作詞家の吉丸一昌氏が長野県の安曇野あたりの早春の情景を表現したもので、なるほど春とは名のみである。春の訪れを告げる梅は東京では散るころだが、長野ではまだ咲いておらず気象庁によれば昨年は3月8日に開花した。ちなみに東京の今年の開花は1月10日だ▼その梅が、いま…
IT人材が足りない。ここ10年以上、言われ続けていることだが、なかなか解消しない▼大学が産業界の求める人材育成をしていないのではないか。そんな批判もあったが大学はかなり変わってきた。企業からの寄附講座の設置やIT系講義の充実、さらには業界団体からの出前授業なども取り入れて、IT関連の科目を強化している▼では、どうして足りないのか。大学関係者によると、選択科目の場合は、学生が取らないのだという。取ら…
よく自由には責任が伴うと言われる。換言すればどんな社会にも、法律や慣習などに基づいた規範があって、その規範に違反した行為をすると責任を取らされるということである。これは、学術研究の世界でも同じである。自由に研究することは認められているが、やはりこの世界の規範に違反すれば、責任を取らなければならない▼先日、e-ラーニング教材の利用普及により研究倫理教育を展開してきた、文科省事業「CITI Japan…
米海洋大気局(NOAA)の調査によると、2016年の世界の平均気温は約14・8度Cで、過去最高だった前年をわずかながら上回った▼この値は、20世紀の平均(記録が残る1880年以降)よりも0・94度C高いという。しかも、過去最高の更新は、14年以降3年連続となった。この調査は、世界各地の陸上と海水面の観測データをもとに分析したもので、昨年は、太平洋東部の赤道付近の海面水温が上昇するエルニーニョ現象が…
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