2025.07.18 研究・成果
これまで肥満や糖尿病のような、一つの遺伝子変異に起因しない多要因性の多因子性疾患は、標的遺伝子が明確でないことから、ゲノム編集の適用が難しいとされてきた。大阪大学高等共創研究院の鈴木啓一郎教授らの研究グループは、食事誘発性肥満や前糖尿病といった多因子性疾患に対して、ゲノム編集技術による一度の処置で長期間の治療効果をもたらす、体内バイオ医薬品産生工場の構築に世界で初めて成功した。実際、マウスモデルで治療効果が6カ月以上にわたって継続することを確認した。これにより、頻繁な注射が必要なバイオ医薬品の課題を解決し、患者負担を大きく減らす新しい治療戦略が期待される。
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