2026.01.01 研究・成果

大阪公立大学大学院理学研究科の十川俊平特別研究員と幸田正典特任教授らの研究グループが、大型魚の体表の寄生虫などを食べるクリーナーフィッシュとして知られる小型の海水魚「ホンソメワケベラ」に寄生虫に似せた赤茶色のマークを鏡提示前から付与し、鏡像自己認知の過程を観察した。その結果、従来説よりはるかに短い、平均82分という時間でマークをこすり落とそうとする行動が確認された。さらに鏡を道具として利用するような行動も観察され、鏡の道具利用が自己認知より先に進化したとする従来の考え方を覆し、自己意識が限られた動物だけでなく、より広い動物種に存在する可能性を示した。
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