2026.04.10 研究・成果

高津浩准教授(左)と大学院生の村山寛太郎さん
強誘電体などの極性材料は、電気を流さない絶縁体だが、その例外として極性金属が存在している。京都大学大学院工学研究科博士課程の村山寛太郎さん、高津浩准教授、陰山洋教授、東京大学大学院理学系研究科の有田亮太郎教授らを中心とする国際共同研究グループは、金属的な電気伝導性を示すレニウム酸リチウム(LiReO3)において、極性構造と非極性構造の間で相転移が起こることを実証した。さらに、転移温度(Ts)以下の低温領域でも、構造が静的に固定されるのではなく、構造ゆらぎが持続することを明らかにした。高津准教授は「LiReO3は約40年前に合成が報告された物質ですが、その構造や電子状態はほとんど理解されていませんでした。今回、実験と理論を組み合わせることで、極性金属において伝導電子が形成する浅いポテンシャルが構造ゆらぎの起源であることを明らかにしました。今回の発見が、伝導電子と格子の競合によって生じる動的ゆらぎを設計原理として活用する新たな材料設計へとつながることを期待しています」と話す。
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