2019.04.05 研究・成果
微生物化学研究所の野田展生部長
微生物化学研究所の野田展生部長と大澤拓生博士研究員らと東京工業大学、東京大学は共同で、オートファジーを担うタンパク質の1つ「Atg2」が、分解対象を包む袋状の膜(オートファゴソーム)の材料のリン脂質をオートファゴソーム前駆体に供給していることを出芽酵母を用いて明らかにしたと発表した。X線結晶構造解析法で「Atg2」がリン脂質を収容するポケットを持ち、さらに試験管内で「Atg2」が活性を失った変異体ではオートファジーは強く阻害されることを確かめた。成果はオートファジーの主要な器官であるオートファゴソームの形成過程の基本原理を明らかにするもので、オートファジーの不良が関わる疾患の病態解明につながる成果と期待される。
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