2019.06.14 研究・成果
福井大学子どものこころ発達研究センター発達支援部門の藤澤隆史講師、友田明美教授らの研究グループは、米エモリー大学医学部産婦人科学教室の西谷正太客員助教、アリシア・K・スミス准教授との共同研究により、マルトリートメント(不適切な養育、虐待など)を受けて育った子供では、オキシトシン受容体の設計図となる遺伝子配列の一部が、同年代の子供に比べてより修飾(DNAメチル化)されていることを明らかにすることに成功した。研究グループは、不適切な養育であるマルトリートメントを受けた子供が抱えやすい対人関係の問題の背景にオキシトシンの機能不全があると考え、オキシトシン受容体に着目し、マルトリートメントがオキシトシン受容体のDNAメチル化を引き起こすかどうか、引き起こすとすれば脳や臨床的な兆候とどのような関連性をもつかということについて検討した。
© 2024 THE SCIENCE NEWS