2019.11.01 研究・成果
様々な研究で、主観的な恐怖の代用として、皮膚発汗などの生体反応が使われているが、近年、この二つの間には乖離があることがわかってきた。主観と客観的な反応の差はどこから生じるのか。ATR脳情報通信総合研究所の川人光男所長、米カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校のハクワン・ラウ准教授などのグループは、デコーディング技術を用いて、恐怖刺激に対する主観的な感情体験は前頭前野、客観的な生体反応は扁桃体と、それぞれをつかさどる脳領域が異なることを証明した。感情体験の代用としての生体反応の使用に疑問を投げかけ、それぞれ個別の尺度として扱うことの重要性を明らかにした。
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