量子技術の研究開発に対しては、各国政府や企業による巨額の投資が行われているが、実用化や製品開発においては市場化の途上にある。日本が量子技術に関する研究開発力や製品化等に向けた産業競争力を確保するためには、民間企業等の積極的な投資や参入を促し、国、産業界、アカデミアが一体となって戦略的な取り組みを進めなければならない。量子技術推進議員連盟(会長=林芳正参議院議員)は、政官民の関係者がつどう対話の枠組みとして、新たにQ-SUMMIT(仮称)を創設することを決めた。9月にも初会合を開く予定だ。
量子議連は昨年10月の発足以来、アカデミアや産業界の第一線級の研究者等から、量子技術をめぐる国内外の最新動向をヒアリングし、日本の取るべき方針や戦略等について議論を重ね、その議論をもとに、政府の骨太方針や成長戦略、量子技術イノベーション戦略、予算の拡充に向けた議論をまとめ、政府に申し入れを行ってきた。実際、予算については「倍増以上を目指すべき」とする決議が反映され、2020年度予算と19年度補正予算で対前年度(約160億円)から約340億円へと増加した。
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