2020.08.28 研究・成果
急性腎障害は様々な原因により急激に腎機能が低下する疾患で、患者の半数程度は腎機能がいったん回復するものの、中長期的には高い確率で慢性腎臓病に移行する。そのため、この病態メカニズムが注目を集めている。一方、Mincle(macrophage-inducible C-type lectin)はマクロファージの細胞膜上に発現する膜タンパクで、従来、結核菌や病原性真菌に対する病原体センサーとして、感染防御に働くことが知られている。
名古屋大学環境医学研究所/医学系研究科の菅波孝祥教授、田中都講師、丸山彰一教授、坂(田中)まりえ研究員、九州大学大学院医学研究院の小川佳宏教授を中心とする研究グループは、マウス急性腎障害モデルを用いて、Mincleが壊死尿細管を感知して腎障害の慢性化に働くことを見いだし、急性腎障害から慢性腎臓病への移行メカニズムの一端を明らかにした。
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