2020.09.04 政策
内閣府は、来年度から始まる第6期科学技術・イノベーション基本計画の検討の方向性、いわゆる素案を公表した。共益という価値観に基づいて持続可能な開発目標(SDGs)達成やデジタル化・データ連携・活用によるソサイエティ5・0の具体化に向けて、社会実装につながるイノベーション力の強化、人文社会科学も含めた総合知による研究力の強化、人材・資金の確保という3本柱を立てている。今後、CEATECなどの展示会や日本学術会議のフォーラムなどを通じて、全国各地で説明会を行う。要望があれば、学会等でも説明会を開催し、多くの関係者からの意見を得たいという。
今年、科学技術基本法が科学技術・イノベーション基本法に改正され、人文・社会科学研究やイノベーションなどが法的に位置づけられた。日本学術会議の町村敬志第一部長(一橋大学大学院社会学研究科)によると、人文・社会科学系は「意味」「価値」「社会構想」「反省的・批判的視点」「アプローチの多様性」という特徴を持ち、高度に複雑化した現代社会の調整・構想を担う役割があるという。
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