2020.09.11 研究・成果
東京医科歯科大学難治疾患研究所エピジェネティクス分野の石野史敏教授と李知英准教授の研究グループは、マウスES細胞から、心室と心房構造を持つ心臓オルガノイドの作製に成功した。9月2日に記者会見を開いて発表した。作成したのはマウス胎仔期14・5日目の1㍉サイズのミニ心臓で、細胞の自己組織化機能をうまく誘導・発揮させたことで、心室だけでなく心房を備えた世界初の心臓オルガノイドを実現した。できた心筋細胞の成熟度も高く、石野教授は「ほぼ完全なマウス胎仔の心臓ができたと考えている」と話した。今後は薬剤安全性を評価する心毒性検査の有用ツールなどになると期待している。
© 2024 THE SCIENCE NEWS