自分の家が病院を経営し、家族や親族が皆医師になっていたので、子供の頃は医師になり、医学の力で困った人を助けたいと思っていた。その後、考えが変わって政治の道に入ったが、政治の舞台で科学技術の力を使って国民の幸せを実現したい--そう語るのは菅政権で新たに科学技術政策担当大臣に就任した井上信治大臣だ。
--研究力低下について
近年、論文数の低下、色々なところで研究力低下が指摘されている。しっかり対応しないといけない。先日ノーベル賞の発表があった。残念ながら今年は日本人研究者の受賞はなかったが、21世紀から日本人受賞者は急激に増えている。これは科学技術に政策として資金を投入し、推進してきたのも大きな要因だ。成果が出るまでには時間がかかる。ノーベル賞受賞者の皆さんも、20年、30年前の研究で受賞されている。逆に言えば、今しっかりやっておかないと、20年、30年後に日本の科学技術力が下がってしまう。しっかり重点的にやっていこうと思っています。特に若手中心とする研究者に活躍してもらいたいということで、ポストの確保や処遇改善などが大きなテーマ。10兆円のファンド創設など、大きな課題もあるので、しっかり取り組みたい。
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