2021.05.14 研究・成果
物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点フロンティア分子グループの石原伸輔主幹研究員と井伊伸夫NIMS特別研究員らは、一酸化窒素ガスを安定した濃度で半日以上供給可能な、使い捨て型一酸化窒素発生器を開発した。湿った空気を送り込むだけで医療に適した濃度の一酸化窒素を発生できるため、病院外や途上国などでも扱える安価で小型な一酸化窒素発生器としての活用が期待される。
5~40ppmの低濃度一酸化窒素ガスを吸入すると、肺血管のみが拡張して酸素取り込み能を高めるため、新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全(新生児遷延性肺高血圧症)や、心臓手術における肺高血圧の改善などに使われている。また、抗炎症・抗血栓・抗ウイルスなどの効果もある。
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