2021.11.26 研究・成果
新型コロナウイルスだけでなく、SARSやMERS、さらには今後生まれるであろうコロナ系のウイルス全般に効果のある経口・吸入治療薬の候補が見つかった。理研開拓研究本部肝がん予防研究ユニットの古谷裕上級研究員(東京慈恵会医科大学訪問研究員)、前田瑞夫ユニットリーダー、松浦知和客員主管研究員(東京慈恵会医科大学教授)らの共同研究チームは、新型コロナウイルスゲノムRNAに対して分解作用を持つ化合物のスクリーニング系を開発し、低分子化合物CDM-3008がコロナウイルスに対して抑制作用を持つことを発見した。古谷上級研究員は「インターフェロン受容体の一つに相互作用することで、ウイルスRNAを分解するため、コロナやフラビ系のウイルスに効果があります。より最適化した低分子化合物を合成しており、3年後に臨床試験、5年後の実用化を目指しています」と話す。
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