2022.06.17 研究・成果
東京大学大学院理学系研究科の橘省吾教授
小惑星リュウグウのサンプルは、太陽系を構成する物質の新たな標準物質として、宇宙科学や天文学、さらには地球化学にも大きな影響を与えることになりそうだ。JAXAはやぶさ2プロジェクトチームの初期分析チーム(総括=橘省吾東京大学大学院理学系研究科教授)の化学分析チームは、小惑星リュウグウがイヴナ型炭素質隕石(CIコンドライト)で構成されていることを明らかにした(Scienceに掲載)。またフェーズ2キュレーション(初期記載)を行っていた岡山大学惑星物質研究所のチームは、生命の起源に結びつく23種のアミノ酸が含まれていることを明らかにした(日本学士院紀要に掲載)。
地球の水はどこから来たのか。生命を構成する有機物はどこでできたのか。太陽系で最初にできたと考えられる微惑星が衝突や破壊、合体を繰り返して、どのように惑星が生まれたのか。C型小惑星リュウグウには、約46億年前に太陽系ができた頃の水や有機物が、今でも残されていると考えられている。
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