2022.07.22 研究・成果
がん細胞が、正常細胞によって排除されるのか、それとも浸潤して増殖していくのか。大阪大学微生物病研究所の梶原健太郎助教、岡田雅人教授らの研究グループは、がん遺伝子産物Srcが脂質ラフトに集積する場合には、その細胞は浸潤するが、脂質ラフト外に集積する場合には、排除されることを明らかにした。さらに、Srcの集積を担うタンパク質CDCP1を同定し、その分子メカニズムを明らかにした。梶原助教は「現在、CDCP1の細胞膜への移動を阻害する物質を探索しており、見つけることができれば製薬企業との共同研究を進めたい。また細胞のがん化に伴ってコレステロール量が増えることも明らかになっているので、もしかしたらメタボによってSrcが脂質ラフトに集積しやすくなって、がんが悪性化しやすくなるかもしれません」と話している。
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