2023.10.06 研究・成果
研究成果を発表する関係者。左が福井大の藤枝重治教授、右の画面上が木戸口正典助教、下が筑波大の野口恵美子教授
マイクロバイオーム(常在細菌叢)に関する研究は近年、多様な展開を見せており、例えば、腸内フローラが認知機能と関連するといった成果も出ている。そうした中、近年増加している難治性の副鼻腔炎と鼻腔内の細菌叢が関係しており、そのバランスを調整することで、難治性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)が治療できる可能性が見えてきた。福井大学医学系部門の木戸口正典助教、藤枝重治教授、筑波大学医学医療系の野口恵美子教授らの研究グループは、好酸球性副鼻腔炎の病態の原因の一つとして、Fusobacterium nucleatum菌の減少が疾患と関連していることを見いだした。この細菌が産生するリポ多糖(LPS)が炎症抑制効果を持つことなども明らかにした。新たな治療法や治療薬開発につながることが期待される。
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