2023.11.10 政策
日本の研究力を引き上げるためには、人材に関する経費や自由な発想に基づく学術研究を強化しなければならない。文部科学省は、今年度補正予算案に研究人材の育成や若手研究者の支援、科研費・基盤研究Bの基金化のため、1328億円を計上した。研究力強化に向けて大きな一手となりそうだ。またムーンショット型研究開発の基金についても1522億円を積み増す。
世界各国が研究開発に力を入れ、トップ論文の数を増やす中、日本の論文数は停滞しており、相対的な日本の研究力は低下している。科学技術・学術政策研究所の科学技術指標2023では、整数カウントで論文数は世界6位(20年前は2位)、トップ10%論文は12位(同4位)となっている。こうした研究力の低下は、国立大学の法人化による基盤的経費の減少、博士課程後期への進学率の低下などが大きな要因と言われている。
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