2024.06.28 研究・成果
東海大学理学部化学科の荒井堅太准教授、岩岡道夫教授、山梨大学医学部産婦人科学講座の吉野修教授、小野洋輔臨床助教らの共同研究グループは、妊娠ペプチドホルモンとして知られるヒトリラキシン2(リラキシン)が持つ3対のジスルフィド結合のうち1対を類縁のジセレニド結合に置き換えた2種類の人工リラキシン(セレノリラキシン)の化学合成に初めて成功した。また、セレノリラキシン各種が子宮内膜症の発症に関与するとされる組織繊維化因子の一つであるPAI-1のmRNAの発現量を最大40%まで減少させることを明らかにした。ジスルフィド結合をジセレニド結合に置換する分子設計がリラキシンの合成を効率化することを明らかにするとともに、子宮内膜症に対する創薬戦略として新たな一手を提案するものだ。
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