2020.06.26 研究・成果
衛星軌道上の微小重力下では、アルツハイマー病などの原因となるアミロイド繊維は、独特のかたちになる。自然科学研究機構生命創成探究センター(ExCELLS)の加藤晃一教授、矢木真穂助教、谷中冴子助教らの研究グループは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟での実験で世界で初めて明らかにした。
アミロイド線維は、タンパク質が規則正しく多数積み重なってできる凝集体。タンパク質が集まってできたアミロイド線維であるアミロイドβ(Aβ)が脳内に蓄積されると、神経細胞の変性・消滅が生じ、脳が委縮してアルツハイマー病が発症することが知られている。アルツハイマー病などの治療や予防のために、線維形成の仕組みを正しく理解することが重要だが、その詳細はいまだ解明されていない。
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