2020.07.10 研究・成果
順天堂大学大学院医学研究科の永原章仁教授と石川大准教授らの研究グループは、潰瘍性大腸炎患者に対する便移植療法の臨床研究で、患者と便提供者との関係が兄弟姉妹かつ年齢差10歳以内(同世代)で長期治療効果があることを確認したと発表した。兄弟姉妹の腸内細菌叢は患者の疾患発症前の健康な状態に近く理想的な腸内細菌叢である可能性があるという。患者に合わせた個別化腸内細菌療法につながると期待される。
潰瘍性大腸炎は持続する炎症が大腸に生じる根治療法のない難病指定疾患で、国内の患者は増加し続けている。近年では新規薬物療法により治療効果が飛躍的に向上し、腸内細菌叢の乱れが発症や増悪の要因の1つであることが明らかになっているが、長期予後については不透明で、副作用のない根治療法が求められている。
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