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2020.09.11 研究・成果

「自閉スペクトラム症は異種疾患の集合体か」東北大が人工知能活用し解析

東北大学東北メディカル・メガバンク機構の栗山進一教授らの研究グループは、機械学習(人工知能の解析技術のひとつ)を活用することで自閉スペクトラム症(ASD)に複数のタイプが存在することを明らかにしたと明らかにしたと発表した。症例をより均質な集団に機械学習で分類し、各クラスターごとの患者群と対照群で遺伝情報の比較を行うことで、従来発見できなかったより関連の深い遺伝要因等が明らかになった。ASDは異種の疾患の集合体である可能性がある。ASD患者個々に対するより効果的な医療につながると期待される。
ASDは対人関係が苦手なことや、強いこだわりをもつことを特徴とする発達障害で、男性に頻度が高い(女性の4倍)。音への過敏や精神疾患や統合運動障害など他の症状を併せ持つことが多く、多様性が高いことが知られている。一卵性双生児のASDの一致率が92%と高いのに対し、二卵性双生児は10%と低く、兄弟間の再発リスクが22倍と高いことから遺伝的要因が強く存在すると考えられている。一方で、千以上の有意な候補遺伝子が報告されるも決定的な変異は特定されていない。国際的な診断基準としてDSM-5が存在するが、医師により診断が異なることもある。

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