2020.10.30 研究・成果
農研機構北海道農業センター作物開発研究領域の藤野賢治上席研究員らは、かずさDNA研究所、北海道大学と共同で、熱帯を適地としているイネが寒地の北海道で栽培可能になるまでの日本における品種育種の変遷を明らかにするとともに、それを可能にした遺伝子を特定したと発表した。北海道の歴代イネ主要品種およびコシヒカリ系統などを全ゲノム解析して比較。北海道で稲作が可能になった要因が、出穂期の日長反応性に関わる3遺伝子「OsPRR37」「Ghd7」「Hd1」の機能欠損にあり、近年の品種ではそのうち「Hd1」のみが機能することで収量の増加による安定生産を可能にしていることを明らかにした。品種育成に役立つ成果と期待される。成果は10月10~11日にオンライン開催された日本育種学会第138回大会で発表された。
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