2021.04.02 研究・成果
大阪市立大学大学院理学研究科の佐藤駿客員研究員(総合研究大学院大学)と幸田正典教授らの研究グループは、中南米原産のペアで子育てする魚類「コンビクトシクリッド」が、実験で「自分だけが餌をもらえる選択肢」と、「自分と自分の繁殖相手の双方が餌をもらえる選択肢」を提示すると、後者を積極的に選択することを発見したと発表した。人が持つ利他性や思いやりの心の進化起源が魚類にまでさかのぼる可能性が示された。
人は他者に利益を与える性質(向社会性)を持つことが知られ、この性質は類人猿などで実験を通してこれら動物も似た向社会性を持っていると考えられている。魚類にも人と同様にペアで子育てするなど社会的行動を行う種類が存在するが、魚類が向社会性を持っているのかはわかっていなかった。
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