2021.11.26 研究・成果
虐待などの不適切な養育(マルトリートメント)を受けた子供は、幸せホルモンとも言われるオキシトシン遺伝子のメチル化率が1.67倍高いことが分かった。福井大学子どものこころの発達研究センターの西谷正太特命助教と友田明美教授らの研究グループが、米エモリー大学医学部のアリーシャ・スミス准教授との共同研究により明らかにした。友田教授は「唾液で検査できるので、将来的には虐待の有無や治療効果の測定につなげていきたい」と話す。
虐待の相談件数は30年間で186倍になり、昨年度は20万件を超えた。一方、DNAメチル化は、後天的に変化し可逆性があるため、環境からの影響によって遺伝子の働きを制御するメカニズムとして注目されている。
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