2020.05.22 研究・成果
蚊は、どうして暗闇の中でも飛び回ることができるのだろうか。千葉大学大学院工学研究院の中田敏是助教、英王立獣医大学、ブライトン大学、リーズ大学などの国際研究チームは、蚊が自らの羽ばたきで生み出した気流のわずかな変動を感知することで、暗闇でも障害物を避けて飛行できるメカニズムを実証した。
日本では、暑い季節になると、ヤブ蚊に刺されたり、部屋の中に入ってきた蚊にイライラすることも多いが、世界ではデング熱や日本脳炎などの感染症を媒介する危険な存在である。蚊の生態を様々な観点から理解することは、蚊から身を守るうえで非常に重要だ。
蚊は、暗い部屋の中でも360度、目がついているかのように飛び、なかなか捕まえられない。実験的にも、蚊が暗闇で周囲の障害物を避けて飛ぶことが観察されていたが、その科学的なメカニズムについては、わかっていなかった。
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