2021.04.30 研究・成果
総合地球環境学研究所研究基盤国際センターの加藤義和研究員(現在は名古屋大学大学院環境学研究科研究員)と陀安一郎教授、水産研究・教育機構水産資源研究所の冨樫博幸主任研究員と栗田豊副部長らの研究グループは、仙台湾に生息するヒラメには、成長に伴って浅瀬から沖合に移動するタイミングや生息場所の好みが異なる2集団が存在することを明らかにしたと発表した。脊椎骨椎体のコラーゲンに含まれる炭素と窒素の安定同位体比を分析することでわかった。水産資源の有効な保全や活用につながる成果と期待される。
魚類の成長に伴う移動や餌などの生活環の解明は、水産資源の保護や適切な活用に不可欠と考えられている。これまでこうした魚類の移動履歴は、タグなどをつけた個体を放流して再捕獲したり、小型の発信器をつけて追跡するテレメトリー法を用いたり、耳石の各種元素分析を行ったりすることで明らかにされてきた。
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