2021.07.23 研究・成果
三重大学生物資源学研究科の立花義裕教授らの研究グループは、過去39年間にわたる観測値の分析と数値シミュレーションにより、アフリカのサヘル地域で雨雲が大きく発達すると、日本上空の高気圧の引き金となり、結果的に日本の猛暑の一因となっていることを発見した。
サヘル地域は、サハラ砂漠のすぐ南に位置し、雨期と乾期が明瞭なサバナ気候である。この地域の雨の増減の原因については、ヨーロッパの研究者を中心に調査が行われてきた。一方、日本の異常気象については、エルニーニョ等、熱帯海洋の気候条件による影響を考察する研究が盛んに行われているが、サヘル地域のような日本から遠い熱帯陸上の雨雲の影響という視点はこれまで見過ごされていた。
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