これまで日本では、研究インテグリティという言葉が研究公正(研究不正の防止)という意味で用いられてきたが、本来は、研究者や研究機関が社会的負託を受けて行う研究活動において、自主的・自律的に担保すべき健全性と公正性を担保し、それが第三者に説明できる状態のことを指している。一方、研究のオープン化・国際化に伴って、研究インテグリティの確保は難しくなっており、世界各国で課題となっている。日本学術会議は、各機関、政府、ファンディングエージェンシーが連携して、新しいマネジメントスタイルを構築しなければならないという考え方を示した。
世界各国の研究者は、地球温暖化や人類共通課題の解決のため、あるいは真理の探究のため、協調して、研究活動を行っている。一方、AI、生命科学、量子科学技術などのエマージングテクノロジー(新興科学技術)については、各国がそれぞれ大胆な投資を行いながら、研究開発にしのぎを削っている。科学技術やイノベーションの力が各国の国際競争力を左右するためだ。
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