2023.01.20 研究・成果
齊藤博英教授 亀田重賢大学院生
mRNAをワクチン以外の医薬品に応用するための研究開発が世界中で進んでいるが、細胞内でのmRNAの不安定さが大きな課題となっている。京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の亀田重賢大学院生と齊藤博英教授らの研究グループは、マイクロRNA(miRNA)とRNA結合タンパク質を検知することで、細胞の種類に応じて遺伝子発現の制御が可能な2種類の環状RNAスイッチを開発し、そのスイッチを組み込んだ人工環状RNAで安定的・持続的に遺伝子誘導ができることを示した。齊藤教授は「スイッチ技術と環状RNA技術を組み合わせることで、目的の細胞だけを選択的に取り除いたり再生させるといったmRNA医薬を実現したい」と話す。
© 2024 THE SCIENCE NEWS