2024.02.16 研究・成果
吾郷浩樹主幹教授
グラフェンや遷移金属カルゴナイド(TMD)、六方晶窒化ホウ素(hBN)など、原子の厚みしかない二次元シート(二次元材料)は、ユニークな特性を持つため、次世代半導体や超伝導体、フレキシブルエレクトロニクス、各種センサーなどへの展開が期待されている。しかし、二次元シートを基板上に転写する際、二次元材料が壊れたり、保護膜の高分子が残って性能が低下したりしてしまうなどの多くの課題があった。
九州大学グローバルイノベーションセンターの吾郷浩樹主幹教授、日東電工、合同会社二次元材料研究所、中央大学の李恒助教、河野行雄教授、九大先導物質研究所の吉澤一成教授、同大学院総合理工学研究院の辻雄太准教授、大阪大学産業科学研究所の末永和知教授、産業技術総合研究所の林永昌主任研究員らの研究グループは、こうした課題を解決できる二次元材料に特化した紫外線で粘着力が低下する機能性テープを開発した。様々な二次元材料に利用できるため、フレキシブルなテラヘルツセンサーなども試作した。吾郷主幹教授は「2030年くらいを目標に、半導体装置メーカーと二次元の次世代半導体への応用展開を進めている」と語る。
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