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2022.06.24 研究・成果

メタロプロテアーゼが関与 東大が新型コロナの新たな感染経路発見

新型コロナウイルスはウイルス外膜と細胞膜やエンドソーム膜を融合させて感染する。この膜融合には細胞の膜上の受容体とタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が重要な役割を担っている。東京大学医科学研究所附属アジア感染症研究拠点の山本瑞生特任講師、合田仁特任准教授、東京大学の井上純一郎名誉教授・特命教授らは、既に膜融合への関与が知られているセリン/システインプロテアーゼに依存しない新たな感染経路を発見した。新規経路はメタロプロテアーゼに依存し、SARSやMERSコロナウイルスなどには見られない新型コロナウイルス特有の経路だ。さらに研究グループはがん転移抑制剤として開発が進んでいた複数のメタロプロテアーゼ阻害薬がこの経路を効果的に阻害し、COVID-19の病態に関連するウイルス感染依存性細胞融合や細胞死を抑制することを見いだした。これらの成果は新型コロナウイルスの素早い感染拡大の機構やCOVID-19の複雑な病態の解明につながるだけでなく、重症化や後遺症などに対する治療法開発や新たな変異株の病原性予測にも役立つことが期待される。mBioオンライン版で公開された。

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