2021.03.26 研究・成果
なぜ日本人は、物理や数学は男性のものというイメージを持ってしまうのか。東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 の横山広美教授を中心とする東京大学、NIRA総合研究開発機構、滋賀大学教育学部、名古屋大学素粒子宇宙起源研究所のメンバーからなる研究グループは、新モデルを提案し検証をした。物理などの分野を大学で学ぶ女性が少ない要因を3つにまとめた先行研究を利用し、今回さらに要因4(性役割についての社会風土) を加えて男性的イメージを測定した。新モデルに基づいて、インターネット調査を実施した結果、「職業」「数学ステレオタイプ」「頭が良いイメージ」 が数学や物理学の男性的イメージに影響することに加え、要因4の要素のうち「女性は知的であるほうがよい」ことに否定的な人ほど数学に対して男性的イメージを持つことがわかった。これらの結果は、優秀さが男性のものであるという意識が学術分野の男性的イメージに影響を与えていることを示唆している。新モデルが、一部学術分野に男性的イメージをもたらす要因の解明に役立つとともに、ダイバーシティ推進政策や人材育成政策に貢献するエビデンスとして活用されることが期待される。
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