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2019.12.13 研究・成果

7世紀と9世紀、東海地震の痕跡 「未確認だった2回」津波堆積物で確認

南海トラフで起こる巨大地震は、いつ、どのようなタイミングや規模で繰り返されてきたのか。これまでの研究では、主に歴史記録に基づいて復元されてきた。現存する歴史記録の量や質には時代や地域によって差があり、文書から確実に分かる最古の東海地震は1096年永長地震である。684年白鳳地震以降の歴史記録がある南海地震に対し、東海地震については7世紀から11世紀に歴史記録の空白期間があった。887年の南海地震では、東海地域も含む広い範囲で強い揺れを感じた記録があり、東海・南海地震が同時に発生した可能性が指摘されていた。また、684年の南海地震では、考古遺跡で見つかった液状化の痕跡から、近い時期に東海地震が発生した可能性が指摘されていた。
しかし、いずれも、これまで東海地震の特徴である津波の証拠はなく、東海地震と南海地震の発生時期や連動性を議論する上で支障となっていた。
産業技術総合研究所活断層・火山研究部門の藤原治副研究部門長と静岡県立磐田南高等学校の青島晃教諭らは、静岡県西部の太田川低地から7世紀末と9世紀末の津波堆積物を発見し、歴史記録上未確認だった2回の東海地震の発生を確認した。特に今回の津波堆積物の発見により、887年の南海地震と同時に東海地震も発生したことが確認された。これにより過去1300年について東海地震がいつ発生し、それが南海地震とどういうタイミングであったかをより詳しく明らかにした。

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