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素領域

科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。

2021年10月29日号 素領域

第49回衆議院議員総選挙と第25回最高裁判所裁判官国民審査が10月31日に行われる。期日前投票の期間は20日から30日に指定され、各自治体は各所に投票所を設けている。自治体によってはWebサイトに混雑の程度を表示しているので感染症対策の参考にしてほしい▼期日前投票は、公職選挙法の一部を改正する法律が第156回国会で成立し、平成15年(2003年)12月1日から施行。従来の不在者投票制度が改められ、…

2021年10月22日号 素領域

総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)で、STEAM教育、探求力の育成、ギフテッド(先天的に突出した才能の持ち主)の子供たちのための教育について議論が進んでいる。学習指導要領には記載されているものの、日本の初等中等教育において不十分だと考えられているものだ▼発達障害の可能性のある子供は、小学校1クラス(35人学級)で2・7人、中学校1クラス(40人)に1・6人。ギフテッドの可能性のあるIQ1…

2021年10月15日号 素領域

今年のノーベル物理学賞を、米プリンストン大学の眞鍋淑郎氏が受賞した。CO2の濃度上昇が地球表面温度の上昇につながることを証明し、現在の気候モデル開発の基礎を築いた功績が認められたものだ▼気候学分野からの初のノーベル賞受賞ということだが、その研究自体は1960年代に、眞鍋氏が米国へ渡って成し遂げた研究成果だという。実に半世紀以上も前のことである▼しかし、地球温暖化問題に対して世界全体が取り組み始めた…

2021年10月8日号 素領域

かむ力(咬合力)について意識したことがあるだろうか。咬合力とは、物をかみ締める顎の力のことで、最近の日本人はこの力が落ちてきているという▼食事の際に人がかむ力はだいたい自重と同じ、男性であれば60㌔㌘くらいの力をかけているというのである。この咬合力がいったいどれほど重要性なのか。日本の研究機関と大学の共同研究によりその一端が明らかにされている。歯科診療を受けた一般の人(50~79歳)1547人を追…

2021年10月1日号 素領域

第31回目を迎える今年のイグ・ノーベル賞の授賞式は9月20日に開催され、10件の受賞業績が発表された。今年も日本の受賞者が誕生、15年連続の受賞となった▼受賞したのは京都工芸繊維大学の村上久助教、長岡技術科学大学の西山雄大講師、東京大学のフェリシャーニ・クラウディオ特任准教授、西成活裕教授らの研究グループで、「なぜ歩行者は”時には”他の歩行者とぶつかってしまうのかを明らかにした実験を行ったこと」に…

2021年9月17日号 素領域

菅義偉総理が自民党総裁選への出馬を断念したことで、今月末にも新総裁・新総理が誕生することになるが、日本学術会議の会員任命拒否問題については何の結論も出ずに次の政権に移行することになりそうだ。ただ、新総理が改めて6人を任命すれば、この問題は一応の決着をみることになるだろう▼これと並行して動いているのが、学術会議の機能強化についての議論である。自民党PTと学術会議とでは設置形態などで異なる結論が出てい…

2021年9月10日号 素領域

9月1日にデジタル庁が正式に発足した。欧米などの先進国に比べ、様々な分野で日本のデジタル化が遅れていることを受けて、政府が打ち出した日本再興への具体策である▼国・自治体、準公共(健康・医療・介護、教育、防災、モビリティ、農業・水産業、インフラ)、民間のデジタル化を推進し、デジタル活用により多様な幸せが実現できる社会を目指す▼そして「誰一人残さない、人に優しいデジタル化」「デジタルを意識しないデジタ…

2021年9月3日号 素領域

「プラセボ効果」という用語を聞いたことがあると思う。親しくしている医師から「手術をしないでいるガン患者が、市販のビタミンドリンクが効くと思い込み、毎日のように飲用し、元気にしている」という話を最近聞いた。そこでプラセボ効果を思い出したのである▼そもそもこの効果は、「偽薬」つまり本当の薬ではないものを本物だと思って使用した際、本来出るはずのない効果により病が回復したり痛みが和らいだりする現象のことで…

2021年8月27日号 素領域

9月1日は1923年に関東大震災が発生した日であるとともに、暦の上では二百十日にあたり台風シーズンでもあることから「防災の日」とされている。同日を含む8月30日から9月5日までは「防災週間」とされ、防災知識普及のための講演会や防災訓練、防災功労者の表彰等のイベントが例年開催されてきた。しかし、現時点では新型コロナウイルス感染症の拡大はとどまるところを知らず、訓練等は多くで中止が予定されている▼そこ…

2021年8月20日号 素領域

日本の研究力低下の大きな要因の一つになっているのが、修士課程から博士課程への進学率の低下だ▼修士課程学生は優秀な先輩を見ているが、その人たちが就職先もなく、結婚もできず、いわゆる高学歴ワーキングプアになっている姿を目にしているからだ。欧米とは異なり、日本企業の多くは博士の採用に消極的である▼こうした状況を改善するため、ジョブ型雇用を進める企業と博士の就職先を確保しようという大学で構成される、ジョブ…

2021年8月6日号 素領域

新型コロナウイルス感染症拡大の勢いが一向に収まらない。東京2020オリンピック開催の最中だが、首都圏をはじめ全国的に感染拡大が再び、しかも急速に拡大している▼緊急事態宣言が幾度も繰り返されるが、人々の行動は大きくは変わらない。日本で感染者が確認された2019年1月から約1年半が経過して、行動自粛は限界のピークを超えているのではないか▼ワクチン接種が進んでいるが、若い世代はこれからである。特効薬もい…

2021年7月30日号 素領域

最近、世界で起こっている風水害をみていると、ゲリラ豪雨とか爆弾低気圧といった言葉がもう珍しくなくなってきていることを実感させられる▼後を絶たない風水害の根本原因の一つとして、クローズアップされているのが線状降水帯である。海で発生した水蒸気は陸に達すると、上昇し発達して雨雲(積乱雲)となる。線状降水帯は、この積乱雲が次々と発生し列をなして組織化した積乱雲群になり、数時間にわたりほぼ同じ場所を通過また…

2021年7月23日号 素領域

日本学術振興会は小学校高学年から高校生を対象に、大学や研究機関で科研費により行われている最先端の研究に触れることで、科学の面白さを感じてもらうことを目的としたプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス(https://www.jsps.go.jp/hirameki/)」を実施している。夏休み期間中にも多くの大学や研究機関が、多種多様なプログラムを企画しているのでチェックしてみてはいかがだろうか▼大人…

2021年7月16日号 素領域

鉛はヒトでは血中濃度50~300マイクログラム/デシリットルで運動・認知機能障害を引き起こすと言われているが、WHOは「鉛の子供に対する安全レベルはわかっていない」としている。しかし、ナイジェリアでは2010年、鉛中毒で400人以上の子供が死亡し、1万人以上が治療を受けている。ケニアのダンピングサイト(ごみ捨て場)でも高濃度の鉛汚染が報告されている▼北海道大学の研究グループが、ザンビアのカヴウェ鉱…

2021年7月9日号 素領域

聴覚や発話等に障害があり自分では電話をかけられない人と、そうでない聞こえる人等とをつなぐ公共インフラとしての「電話リレーサービス」が、7月1日から始まった▼同日は関係者が参加して記念のセレモニーがオンラインで開催された。筆者も登録してオンライン配信のセレモニーを取材したが、関係者のあいさつや祝辞などを聞いていて、このサービス開始の意義を改めて思った▼パソコンやスマホなどが急速に発展・普及して、こう…

2021年7月2日号 素領域

昨年の12月に小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った小惑星「リュウグウ」の砂に、大量の水をつくるのに十分な量の水素分子と、生命の材料となる有機物の分子が確認されたという▼これはJAXAが明らかにした初期分析の結果で確認されたことである。JAXAではこれまで「リュウグウ」の砂の大きさや色、形などをカタログ化してきている。今後1年をかけて日本をはじめとした14カ国の研究者による詳細な分析が行われ…

2021年6月25日号 素領域

政府は東京2020オリンピック・パラリンピックにあわせ、2021年の祝日を移動する通達を昨年出した。「海の日」は7月22日、「スポーツの日」は7月23日、「山の日」は8月8日に移動する。今年だけの特例で、来年からは例年通り「海の日」は7月の第3月曜日、「スポーツの日」は10月の第2月曜日、「山の日」は8月11日に戻る。コロナ禍でもあり、各地で当初想定されていたほどの混雑はなさそうだが注意してほしい…

2021年6月18日号 素領域

昨年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置など、様々な対策がとられてきた。オンライン授業の導入、交代制で密にならない対策をしながらの研究室運営など、大学の様子も随分様変わりしてきた。一般企業でもテレワークが当たり前になっている▼最近、何人かの人に記者の仕事はどう変わったのかということを聞かれたので、テレワークが可能になった、オンラインのレ…

2021年6月11日号 素領域

量子技術の研究開発を進める日本の大手ベンダーなどと、量子技術を自社のサービスなどに利用しようというユーザー企業が集まり、まだ世界のどの国も達成していない量子技術の社会実装を、オールジャパン体制でいち早く実現しようと立ち上がった▼本号で報じている「量子技術による新産業創出協議会」の設立発起人会の話である。量子技術の重要性は国レベルで認識され始めており、日本でも国をあげたイノベーション戦略が進められて…

2021年6月4日号 素領域

「2050年まで」というからあと30年足らず。世界のエネルギー事情が今とはがらりと様変わりするかもしれない▼何と電気の9割を再生可能エネルギーが担い、化石燃料はほんのわずかのプラスチック製品のみに使われるにとどまるという。これは国際エネルギー機関(IEA)が発表した、世界各国が50年に温室効果ガス排出の実質ゼロを実現するシナリオで明らかとなったことだ。いよいよ脱化石燃料が鮮明になった▼シナリオ実現…

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